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不動産・マンション高経年化 · 分析記事

築40年超は158.8万戸、20年後503.6万戸。建替え323件で対応できるのか?

要旨

築40年以上は2025年末158.8万戸、現ストック723.6万戸の約21.95%です。2045年には503.6万戸の見込みです。建替えの累計は323件・約2.6万戸です。定義と期間が違うため『1.6%しか進んでいない』とは計算せず、規模差が示す管理・修繕・再生の選択肢の広さを考えます。

· ストック2025年末、建替え2025年3月末、居住者調査2023年度

公式公開集計の二次分析です。査読論文・受託実績・個人や物件への予測ではありません。

研究上の問い

高経年ストックはどの速度で増え、居住者の高齢化とどのように重なるか。建替え累計と並べると何が見え、どこから先は定義の違いで比較できないか。公表丸めで結論は動くか。

対象データと方法

ストック2025年末、建替え2025年3月末、居住者調査2023年度。公式資料を確認し、数値の分母・単位・時点をそろえました。因果推定に必要な条件がない場合は記述分析に限定しています。

結果|会議で先に共有する3点

  1. 築40年超は現ストックの約21.95%

    158.8万戸÷723.6万戸。各値の公表丸めを10万回揺らしても21.939〜21.953%でした。

  2. 2045年503.6万戸は、現在総数の69.6%相当

    これは将来の構成比ではありません。分母を2025年総数に固定した規模比較です。

  3. 建物と居住者の高齢化が重なる

    世帯主70歳以上は2023年度25.9%、1984年以前完成では55.9%。5調査年のどれを除いても増加傾向は正でした。

築40年超ストックの増加

2015年53.3万戸、2025年158.8万戸、2035年313.1万戸、2045年503.6万戸を示す棒グラフ
2035年・2045年は国土交通省の見込みです。

ストックと建替え累計の規模対照

全ストック、築40年超、旧耐震、建替え累計戸数を万戸で並べた棒グラフ
定義・期間が異なるため、進捗率には変換しません。

世帯主70歳以上割合の推移

2003年10.2%から2023年25.9%までの推移と1984年以前完成55.9%を示す図
調査年で標本数が異なり、同一世帯の追跡ではありません。

築40年超構成比の丸め感度

公表丸め区間10万回再計算の2.5%点、中央値、97.5%点を示す棒グラフ
公表丸めの範囲では約21.95%という結論は動きません。

調査年除外による高齢化傾きの感度

5調査年を一つずつ除いた世帯主70歳以上割合の年当たり傾き棒グラフ
どの調査年を除いても傾きは正ですが、因果効果ではありません。

要約|建替えに加えて、管理・修繕・売却・用途を分ける

築40年超ストックは2015年53.3万戸、2025年158.8万戸、2035年313.1万戸、2045年503.6万戸の見込みです。10年ごとの増加率は+198%、+97%、+61%と鈍化しますが、増加戸数は大きいままです。

建替え累計約2.6万戸を築40年超158.8万戸で割ることはできますが、期間、対象、除却、事業形態が違います。その比を進捗率や必要建替え率とは呼びません。

方法|四つの公式資料を分け、丸め方と調査年を変えて再計算

国交省の全ストック、築40年超見込み、建替え等実績、マンション総合調査を別系列として固定しました。築40年超比は公表値の丸め区間各±0.05万戸を10万回再計算し、SALibとOpenTURNSの別実装で感度を照合しました。

世帯主70歳以上割合は2003、2008、2013、2018、2023年度の5点を使い、各調査年を一つずつ除いた傾きを計算しました。年当たり+0.784〜+0.840ポイントで全て正でしたが、標本構成が同じ個人を追うものではありません。

結果1|丸めでは約22%という結論は動かない

築40年超158.8万戸と総ストック723.6万戸から21.9458%です。丸め区間での95%範囲は21.9388〜21.9528%。Sobol一次感度は分子95.4%、分母4.6%で、公表精度の範囲では結論は安定しています。

ただし、推計モデル自体の誤差を表す区間ではありません。公表丸めだけの感度で、除却把握、定義、将来供給の不確かさを含みません。

結果2|建物年齢と居住者年齢は別指標だが、運営課題で重なる

世帯主70歳以上は2003年度10.2%から2023年度25.9%へ増えました。1984年以前完成では55.9%です。建物年齢が居住者年齢を決めるとは言えませんが、総会参加、役員、修繕合意、費用負担、連絡、相続の設計で両方を同時に見る理由があります。

考察|『建替えが足りない』だけでは選択肢を狭める

全ての高経年マンションが建替えを必要とするわけではなく、全てが建替え可能でもありません。長寿命化修繕、管理改善、耐震改修、敷地売却、用途変更、段階的な合意形成を分ける必要があります。

クライアント候補に有用なのは、全国の危機を煽る図ではなく、自社・管理組合の建物年、耐震、修繕履歴、積立、滞納、賃貸化、空室、所有者年齢、連絡不能を一つの診断表へつなぐことです。

限界と追加データ

ストックと将来値は推計、建替えは累計実績、居住者年齢は標本調査です。分母・時点・対象が一致しません。将来503.6万戸を現在総数で割った69.6%は規模比較で、2045年構成比ではありません。

高経年ストックと関連指標

地域・学校種の名称は原表の日本語で表示しています。

高経年ストックと関連指標
指標時点定義上の注意
全マンションストック723.6万戸2025年末推計
築40年以上158.8万戸2025年末推計
築40年以上503.6万戸2045年末将来見込み
建替え323件・約2.6万戸2025年3月末累計実績
敷地売却等17件・約0.13万戸2025年3月末累計実績
世帯主70歳以上25.9%2023年度標本調査

定義が異なるため、一つの比率にまとめず規模だけを比較します。

方法|実行した方法と、使わなかった方法

103機能の実行結果

このデータに合う方法を採用し、採用しなかった方法と理由も記録しました。

大量の分析を行っても、定義の違う数字を割った比率は正当化されません。丸め感度・調査年感度・別実装照合を主に使いました。

丸め感度10万回
築40年超比は21.9388〜21.9528%。
調査年感度
5時点のどれを除いても70歳以上割合の傾きは正。
建替えの進捗率ではない
高経年戸数と建替え累計は、定義と期間が違うため進捗率を計算できません。
Pandas / NumPy
成長率、固定分母の規模比較、10万回丸め再計算。
SALib / OpenTURNS
丸め区間の感度影響を二つの独立実装で照合。
SciPy / statsmodels
5調査年の傾きとleave-one-wave-outを計算。
pdfplumber / pdftotext
公式PDFの数値と定義を別抽出経路で確認。
103機能適用ゲート
ストック、累計、標本調査の定義差から無効な比率・予測・因果を排除。

この分析の限界

  • ストック・将来値は推計、建替えは累計、年齢は標本調査。
  • 2045年503.6万戸を現在総数で割った値は将来構成比ではない。
  • 丸め感度は推計モデルの誤差区間ではない。
  • 建物年齢と居住者年齢の因果関係を推定していない。

公式出典と再現資料

原表を保存し、URL・訂正日・SHA-256、変換手順、使用機能、限界を記録しています。表示値の丸めと、原表の丸めによる差を区別しています。

結論

築40年超ストックは2025年で約21.95%、2045年には503.6万戸の見込みです。公表丸めを揺らしても現在比は変わりません。建替え323件との規模差は大きいものの、比率を進捗率とは呼べません。高経年化への実務対応は建替えに加えて、管理、修繕、耐震、売却、用途、所有者・居住者の高齢化を同じ診断表で扱う必要があります。