まず顧客番号がない明細を分ける
原表は541,909行ある。そのうち135,080行には顧客番号がない。番号が分からない明細を同じ顧客としてまとめると、購入額の多い顧客を誤って作ってしまう。そこで顧客別の集計からだけ外した。購入額全体の集計には残している。
顧客番号のある購入明細は、対象とした購入額全体の83.5%を占めた。上位顧客の割合はこの範囲についての結果だ。番号のない取引まで含めた全顧客の分布は分からない。
最大の顧客を外しても集中は残る
顧客番号がある4,338顧客を購入額順に並べると、上位434顧客の購入額は61.4%だった。全列が一致する重複行を1行にした場合は61.5%。最大の顧客を除いてから残った顧客の上位約1割を集計しても60.2%だった。

この事業者には卸売の顧客も含まれる。一般消費者向けの通販でも同じ集中が起きるとは言えない。利益の集中とも別の話だ。原価・配送費・対応時間がないため、購入額が多い顧客ほど利益が多いかは調べられない。
再購入は同じ長さの期間で比べる
観測期間の初めに購入した顧客は、終わりに購入した顧客より再購入の機会が多い。そこで各顧客の最初に記録された購入から90日間を確認した。90日後までデータがある3,370顧客のうち、別の時刻に再購入したのは1,601顧客で47.5%だった。
最初に記録された購入が、その店で初めての購入とは限らない。これは新規顧客の定着率ではない。期間内に2回以上注文した顧客の割合65.6%とも、観測期間と対象顧客が異なるため直接比較しない。
自社の受注明細で調べるなら
同じ集計には受注番号・注文日時・数量・単価・顧客を区別する番号が必要だ。取消理由と返品元の受注番号があれば、注文後に残った金額まで確かめられる。原価と配送費も加えれば、購入額だけでなく利益で顧客別に比較できる。
購入額の多い顧客への連絡を増やせば売上が伸びる、という効果は今回の集計からは分からない。施策を試す場合は対象顧客の選び方と比較する相手を別に決める必要がある。
出典
Chen, D. (2015). Online Retail. UCI Machine Learning Repository. 配布ページ、DOI。CC BY 4.0。公開データを集計し図を作成。分析日 2026年9月7日。
