離職だけを見ると分からないこと
厚生労働省の16産業の原表を比べると、入職率と離職率の順位相関は0.959でした。順位相関は、値の大きい順がどの程度そろうかを表す指標です。1に近いほど順序が似ています。
宿泊業・飲食サービス業は入職率28.4%、離職率25.1%で、差は3.3ポイント。全産業の入職率14.8%、離職率14.2%と比べると、入る人も出る人も多い産業です。差が正だから離職対策が不要という意味ではありません。
一つの産業だけが作った傾向ではない
16産業を一つずつ除いて計算しても、順位相関は0.950~0.971でした。一般労働者だけでは0.906、パートタイム労働者だけでは0.905です。今回の表では、雇用形態を分けても正の関係が残ります。
ただし、これは産業間の関係です。一つの企業で採用を増やすと離職が増えるという因果関係は示していません。
企業の退職データで調べられること
自社では入職日、退職日、雇用形態、部署、契約満了、転籍を区別し、同じ分母と期間で計算します。そのうえで勤続期間別の退職や、採用後の定着を調べれば、人員補充の多さと早期離職を分けられます。
この統計の離職率は年初の常用労働者数を分母とし、年初にいた同じ人の退職確率ではありません。全国の産業率をそのまま自社の退職確率に置き換えることはできません。
出典:厚生労働省・令和6年雇用動向調査/統計表原本を加工して作成。JILPTの再編集表ではなく、一次作成機関の表を使用。

