雇用・人口 ·

日本の失業率は下がったか――分母と推計値を確かめる

世界銀行が配布するILOモデル推計では、日本の失業率は2025年に2.45%だった。2019年の2.35%と比べると0.10ポイント高い。2020年は2.81%まで上がり、その後は低下している。ただし、この系列だけで日本の雇用環境がどれほど改善したかを判断することはできない。

日本の失業率の推移
日本の失業率の推移

人口全体の割合ではない

失業率の分母は労働力人口で、就業者と失業者の合計を使う。分子には仕事がなく、就業可能で求職している人が含まれる。仕事を探していない人を含む人口全体に対する割合とは異なる。失業率が低くても賃金が高いとは限らず、希望する仕事に就けた割合でもない。世界銀行の定義

2020年と2019年の差は約0.46ポイントだった。率そのものの差なので、約0.46%増と書くと意味が変わる。集計した年別値の中では2002年の5.39%が最も高かった。ここでは数値の増減を記述し、特定の政策や出来事の効果とは断定しない。

国別ランキングを作らなかった理由

このデータには国が報告した観測値だけでなく、欠測を補うモデル推計が含まれる。配布CSVには各値が観測・補完・予測のどれかを区別する欄がない。公式の説明も補完推計値の国別比較や順位付けには注意を求めている。そのため今回は日本の年別系列に絞り、他国より雇用環境が良いという評価を避けた。

企業の人事記録でも分母の確認が先になる。退職者数を比較するなら平均在籍人数と集計期間をそろえ、休職者や契約終了者をどう数えるかを決める。率だけで採用の難しさを説明せず、応募者数や採用までの日数を別に確かめる必要がある。

出典はILOのモデル推計を収録した世界銀行の失業率指標。2026年9月7日の保存ファイルを使い、集計と図を作成した。国内公表値との照合は今回行っていない。

資料と集計表