公開データ分析|学校教育 2024年度

不登校35万3970人を、人数だけで読まない。

文部科学省・e-Statの令和6年度調査を、在籍者数、学校種、学年、47都道府県に分けて再集計しました。2024年度の増加がどこで生じたかと、この集計だけでは言えないことを切り分けます。

公開データを使った自社分析です。受託実績や顧客成果ではなく、原因や施策効果を示す分析でもありません。

調査結果

要旨

文部科学省の2024年度問題行動・不登校調査を学校段階別に再集計し、総数の増加を前年差と在籍者比率に分けました。小・中学校の不登校児童生徒は35万3,970人でしたが、前年差の純増はほぼ小学校側で生じました。どの段階で変化したかも示しています。

研究上の問い

不登校総数の増加は、小学校と中学校のどちらで、人数と在籍者比率のどの指標に表れているのか。

対象データと定義

文部科学省の確定値・概要資料から、小学校・中学校別の不登校人数、在籍者1,000人当たり人数、前年差を使用しました。総数と率は分母が違うため別々に集計しました。

前年差への影響は、各学校段階の増減を小・中学校合計の純増で割って計算します。これは原因の影響ではなく、集計上どの段階で純増が発生したかを示す分解です。

分析方法の確認

103機能の実行結果

実行確認済み
103

103機能を全件監査し、60機能を原表の再計算・別実装照合・頑健性・感度・可視化・用語監査へ適用しました。43機能は前提不成立の理由を保存しています。

別の説明もできるか

  • 総数と在籍者比率は異なる変化を示す
  • 学校段階別寄与は原因寄与ではない
一つの学校机から図書室、自宅学習、地域の学び場へ複数の道が伸びる紙模型

結果|2024年度の純増は、ほぼ小学校で生じた

353,970 · 小・中学校の不登校児童生徒

小中合計は3.86%

不登校児童生徒は353,970人。在籍9,180,969人を分母にすると3.86%、1,000人当たり38.6人です。人数と在籍者当たり割合を併記します。

97.9% · 前年度からの純増に占める小学校

純増7,488人の内訳が偏る

2023年度から小学校は7,334人増、中学校は154人増。純増の97.9%が小学校です。合計だけでは、変化が生じた学校種を見落とします。

r = 0.715 · 都道府県の小学校率と中学校率

10年で人数は2.88倍

2014年度から在籍者は9.29%減りましたが、不登校児童生徒数は188.0%増えました。ただし定義や欠席日数の数え方が同じでない期間があり、単純な一本線として扱いません。

年度、学校種、学年、地域を同じ分母にしない

不登校児童生徒の10年推移、学校種別の純増、学年別人数、都道府県別の小中相関をまとめた図

学年別の棒は、発生率ではありません

表4-4は学年別人数で、学年ごとの在籍者数を同じ表に持ちません。小1の8,738人と小6の38,080人は人数構成として示し、発生率とは呼びません。都道府県値も指定都市を別に足さず、表4-15の都道府県集計だけを使います。

実行した分析機能

方法|取得した表を照合し、比較結果を公開するまで

  1. 01

    pandas

    年度、学校種、学年、都道府県を縦長の表にまとめました。

  2. 02

    polars

    同じCSVを別エンジンで読み、行数と型を照合。

  3. 03

    duckdb

    trend 33行、grade 9行、prefecture 47行をSQLで再確認。

  4. 04

    numpy

    中央値、四分位範囲、増減率、純増説明率を再計算。

  5. 05

    scipy

    47都道府県の小学校率と中学校率をPearson・Spearmanで記述比較。

  6. 06

    matplotlib

    年度推移、純増分解、学年別人数を静的PNGへ固定。

  7. 07

    seaborn

    地域集計上の相関を散布図と傾向線で確認。

確認する単位を数字から決める

01

学校種を分ける

小中合計に加えて、小学校と中学校の増減を別々に確認しています。

02

人数と割合を並べる

母集団が違う自治体比較では、人数順位だけを使いません。

03

学年は在籍者分母を足す

学校・自治体データでは学年別在籍者数を用意してから率を計算します。

04

支援データを別に持つ

相談接続、学習継続、欠席日数を不登校人数と同一指標に混ぜません。

小学校率と中学校率の都道府県相関は、地域集計上の関連です。スマートフォン、感染症、家庭、教員不足などを原因と断定せず、自治体順位を教育の良し悪しとして評価しません。2020〜2022年度は欠席日数の数え方が他年度と異なるため、長期推移には定義変更の注記が必要です。

考察

総数だけなら中学校の規模が大きく見えますが、前年差を見ると調べる対象が変わります。小学校の純増が大きい年には、低学年・高学年、地域、相談・支援の接続時点を追加確認する方が、総数だけを追うより具体的です。

ただし、学校段階の差だけで原因は説明できません。不登校の把握基準、在籍者数、学校内外の支援、健康・家庭・友人関係などが重なります。この結果から、次の調査で使う集計単位を絞ります。

限界

  • 集計調査で、同じ児童生徒を追跡した縦断分析ではありません。
  • 学校段階別の前年差から、個人の背景や支援の効果を推定していません。
  • 都道府県・学年・支援状況の差はこの分析の全国集計だけでは説明できません。

結論

35万3,970人という総数だけでは変化の場所が見えません。学校段階別の前年差と在籍者比率を並べると、次の調査は小学校側を細かく見るべきだと分かります。ただし、その分解を原因の断定へ進めてはいけません。

用途別の分析資料

読む目的に合う形式を選べます。

同じ公式データを、研究報告書と1ページ要約にまとめました。 すべてPDFで閲覧・保存できます。

公開データによる自社分析です。受託案件や顧客成果の実績ではありません。

出典・公式資料と再現データ

公式Excel3表のURL、取得日、SHA-256を保存し、派生CSV、分析結果JSON、使用機能と不採用理由を記録しています。因果推論・予測・機械学習は、この問いに不要なため使用していません。

教育データ分析

学校・自治体データも、分母を揃えてから比較します。

学年、在籍者数、欠席日数、支援接続などの列を確認し、人数・割合・推移・地域差を同じ定義で示します。個人を特定できる列は共有しないでください。