AI秘書アリア ラボ
AI秘書と動かす仕事の、実物の運用記録

待ち時間を放置しない|30分で動きを確かめて、もう一度出す

重い作業を3本、AIにまとめて投げた夜がありました。

投げた直後の手応えは、悪くありませんでした。
指示は通っている。受け取った、という返事も来ている。
あとは戻ってくるのを待つだけ——のはずでした。

2時間、返ってきませんでした。

その2時間、私が何をしていたかというと、何もしていません。
ときどき画面を見て、まだかな、と思って、別のことを始めようとして、やめる。
それを繰り返していました。

結局、待たないことにして、渡し方を組み直し、改めて出しました。

12分で、3本とも返ってきました。

つまり、待っていた2時間はまるごと損でした。
作業が難しかったわけでも、量が多すぎたわけでもありません。
私が「待つこと」を仕事だと思い込んでいた時間が、そのまま消えました。

この日から、待ち時間の扱いを変えました。
今日はその話を書きます。

「作業中です」は、生きている証拠にならない

まず、あの2時間で私が何を信じていたかを書きます。

私が見ていたのは、報告でした。
「受け取りました」「作業を始めます」——その言葉を根拠に、まだ動いていると判断していました。

でも、報告は生死の証拠になりません。

止まったものは、止まったと言いません。
黙ります。

直前に受け取った返事が「作業中です」だったとしても、その直後に落ちていたら、画面には何も起きません。
私はその「何も起きていない画面」を、作業が進んでいる画面だと思って見ていたわけです。

これは、人に仕事を頼むときの感覚をそのまま持ち込んだせいだと思います。
人なら、詰まれば連絡してきます。
戻ってこないなら、忙しいのだろうと考えるのが、だいたい当たります。

AIに投げた仕事は違います。
黙ったまま終わっていることが、普通にあります。

生死は、成果物の置き場所で見る

では何で見るか。

答えは単純で、出力先を直接見るです。

生きているかの見分け方
① 報告の言葉 ── 「作業中です」「もうすぐ出ます」 → 証拠にならない
② 画面の動き ── 点滅・読み込み中の表示 → 証拠にならない
③ 出力先の中身 ── 指定した置き場所に、ものが増えているか → これだけが証拠

上の3つのうち、①と②はどちらも「そう見えている」だけで、③だけが起きたことの記録です。

置き場所を開いて、中身の更新時刻を見ます。

・書き出し先のフォルダに、ファイルが増えているか
・表に、行が増えているか
・下書き置き場に、新しい下書きが1本できているか
・画像の保存先に、1枚でも落ちているか

増えていれば生きています。
最後の更新時刻が投げた直後のまま動いていなければ、死んでいます。

私は、これを確かめるのに10秒もかかりません。
2時間迷っていたことが、すぐ確認できる形に変わりました。

大事なのは、判定の根拠を「言葉」から「もの」に移すことです。
言葉は、止まっても出てきません。
ものは、止まったら増えません。

30分。これが私の打ち切り線

証拠の見方が決まったら、次は「いつ見切るか」です。

私は30分にしました。

30分、出力先に変化がなければ、待たずにもう一度出す。
これは自分の運用ルールなので、例外を作らずに守っています。

なぜ30分か。理由は2つあります。

短すぎると、本当に進んでいるものを途中で殺します。
重い作業は、10分や15分では最初の1本目が出てこないことがあります。

長すぎると、あの日の2時間になります。
1時間にしていたら、損は倍になっていました。

私は、30分動かないものが、そのあと動き出すことはほとんどありませんでした。
だからここに線を引いています。
この数字は私の環境での実感なので、自分の仕事の重さに合わせて調整してください。

もうひとつ、自分で試して分かったことがあります。

打ち切りは、失敗の宣言ではありません。

途中でやめるのは負けた気がして、なんとなく続きを待ってしまう。
私はそれで2時間を溶かしました。

打ち切りは、判定を早く終わらせるための工程です。
もう一度出すのは、同じ作業の繰り返しではなく、次の手です。

それと、時間を頭で覚えないでください。
「そろそろ30分かな」と気にしながら別の作業をするのは、それ自体が負荷です。
タイマーをかけて、鳴ったら見に行く。
覚えておく仕事を、機械に渡します。

出し直すときは、同じ形で出さない

打ち切ったあとに、そのまま同じ渡し方で出し直すと、同じ待ちをもう一度買うことになります。

私はここでも失敗しています。

一度、重い作業をまとめて大量に並べて外に投げたことがあります。
途中で使える量の上限に当たり、並べたものは全滅。
途中まで作ったものも残らず、手元に何もない状態で終わりました。

そこから変えたのは、出し直すときの形です。

・1本ずつに割って出す
・終わったところまでを、そのたびに書き出させる
・全部そろわなくても、途中の形で保存させる

こうしておくと、次に落ちたときも、落ちる前までの分は残ります。
損が「全部」から「最後の1本ぶん」に減ります。

もうひとつの失敗も書いておきます。

回線が不安定な日に、外に投げる作業を8本並べて出したことがあります。
全部つながらずに落ちました。
このときも、着地はゼロでした。

このとき学んだのは、2回続けて落ちたら、原因は仕事の中身ではなく通り道のほうだという点です。

同じやり方を3回試せば、待ち時間が3倍になります。
2回外したら、手法を変える。
外には投げず、手元で確実に終わる形に落とす。

もう一度出すときに、私はこの点を自問します。

「今のやり方は、さっきと何が違うか」

答えられないなら、同じやり方でもう一度待つことになります。

待ち時間は、体のほうが先に音を上げていた

ここは、体感だけの話ではありません。

私は睡眠と心拍を記録する機器を身につけていて、日々の負荷が記録に残ります。
その記録を見て、はっきり分かったことがあります。

日中、仕事をしている時間帯は、負荷の上下が激しい代わりに、下がって回復する谷が何度もできています。
ところが、夜にAIとやり取りしている時間帯だけ、谷が1つもありません。
上がりっぱなしで張り付いています。

ある日の記録では、負荷のかかっていた時間が5時間30分、回復していた時間は45分です。

これを見て、自分の思い込みが1つ壊れました。

問題は、仕事の強度ではありませんでした。回復の谷が作れないことでした。

授業や打ち合わせのように、進行が読めるものは、途中に谷ができます。
終わりが見えているからです。

待ちには、それがありません。
10秒で返ってくるのか、3分なのか、そもそも死んでいるのか分からない。
この「分からない」が続くと、体は休みに入れません。

長い待ちより、予測できない待ちのほうがきついのだと思います。

だから私は、待ちを短くするより先に、待ちを予測できるものに変えることをやりました。

・長さを先に決める(30分で切る)
・途中経過を、目で見える場所に出させる

この2つで、待ちが「いつ終わるか分からないもの」から「30分後に判定するもの」に変わりました。
体の記録のほうが先に、私にそれを教えてくれていました。

投げる前に、途中経過の置き場所を決める

ここまでの話は全部、投げたあとの対処です。
一番効いたのは、投げる前の一手でした。

悪い投げ方 ── 「この3本、まとめてやっておいて」
良い投げ方 ── 「1本終わるごとに、この置き場所にファイルを1つ作る。途中でもその時点の形で保存する」

違いは中身の指示ではなく、進み具合を外から見られるようにしてあるかどうかです。

投げるときに決めるのは、次の3つです。

・置き場所 ── どこに出すか。フォルダ名とファイル名まで指定する
・刻み ── 何が終わったら1回書き出すか。1本ごとか、章ごとか
・打ち切り ── 何分動かなかったら、こちらから切るか

これを最初の指示に入れておくと、生死の判定は見に行けば終わります。
30分後にフォルダを開く。ファイルがある。生きている。
それで十分です。

私は、指示文の末尾にこの一行を足しています。

「終わったところまでを、指定の置き場所にそのたびに保存してください。全部そろうまで手元に持たないでください」

短い一行ですが、これがあるかないかで、待ちの質がまるごと変わりました。

ないと、返ってくるまで中身がゼロです。
あると、10分後には1本目が置いてあります。

待っている30分を、空にしない

打ち切り線を引いても、30分そのものは残ります。
私はここも空にしないようにしています。

待っているあいだにやることを、先に決めておきます。

・次に投げる指示文を書いておく
・返ってきたものを置くフォルダを作っておく
・未完の一覧を1行だけ更新する
・出てきたものの確認手順を、先に書いておく

どれも5分から10分で終わるものです。
「待ちの30分」を、「別の1件が終わる30分」に変えます。

それと、並べられる待ちは並べます。

これは恥ずかしい思い込みの話なのですが、私は長いこと「同じ入り口を使っているのだから、頼んだ順に1つずつしか動かないはずだ」と決めつけていました。
試すことさえしていません。

試してみると、画面を分ければ同時に動くものがありました。

自分で作っていた待ちです。
根拠もなく「無理だろう」で止めていたものは、一度だけ試す価値があります。

私がまだ手でやっていること

正直に書いておきます。

打ち切りの判断は、いまも私がやっています。
自動で止める仕組みにはしていません。

理由は、止め方を間違えると、あと3分で終わるものを殺すからです。
判定の材料(出力先を見る)は仕組みにしましたが、押すのは自分にしています。

出力先を見に行くのも、日によっては手で開いています。
一覧で見られるようにしてある日もあれば、フォルダを直接開いている日もあります。
そのくらいの雑さでも、2時間待つよりはるかにましです。

完璧な監視の仕組みを作ってから始めよう、と思っていたら、今も2時間待っていました。

必要だったのは仕組みではなく、待たない時刻を先に決めることでした。

まとめ

待つのは、仕事ではありません。

・報告ではなく、出力先のものを見る
・30分動かなければ、切って出し直す
・出し直すときは、形を変える(小分けにして、途中も保存させる)
・投げる前に、途中経過の置き場所を決めておく
・待つ30分に、別の1件を入れる

この5つで、私の夜は静かになりました。
2時間の待ちが12分になった日から、待ち時間は「耐えるもの」ではなく「切るもの」に変わりました。

今日、ひとつだけやるなら

次にAIへ何かを投げるときのために、指示の末尾に足す一文を、いま作って手元にコピーしておいてください。

たとえばこれです。

「終わったところまでを、この置き場所にそのたびに保存してください。全部そろうまで手元に持たないでください」

置き場所の名前だけ自分の環境に書き換えれば、今日から使えます。


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この記事を書いた人

AI秘書と仕事を運用しています。

AI秘書のアリアと、製造役のもう1台のAIに、仕事の大半を渡しています。
私がやるのは、最後に決めることと、外に出す言葉を選ぶことです。

目指しているのは、稼ぐことそのものより、日々の面倒な確認や手戻りを減らして、家族と過ごす時間や休む時間を増やすことです。

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