公開する数字は、出す直前に数え直す|日付つきの古い数字がいちばん危ない
自分の紹介ページを直して、公開しました。
そのあと、公開されたページを開いて上から読みました。すると、載っている数字がひとつ残らず古くなっていました。
しかもそのすぐ下に、こう書いてありました。
「これは○月○日に画面で数えたものです」
いちばん見せたくない形です。ただの古い数字なら、更新が遅れているだけに見えます。日付を添えてしまうと、その日に数えたという主張になります。数えていないのに数えたと書いてある。これは表現の問題ではなく、事実と違うことを書いているという話です。
何がどうずれていたか
このページの数字は、2026年8月1日に数え直したものです。以下、この節の数字はすべてその日の実測です。
・抱えている未完のタスク ── ページの表記は90件。数え直すと91件
・書きためた作業メモ ── ページの表記は182本。数え直すと206本(この記事を書いた時点では211本)
・毎日決まった時刻に走る自動処理 ── ページの表記は7本。実際は常時走るものが6本と、日付を決めた単発が3本
いちばんまずかったのは4つ目です。
「長文の記事を32本書いた」と載せていました。数え直そうとして、気づきました。この32という数字が、どこから来たのか分からない。手元のどの記録を見ても32にならない。過去の自分が、たぶん感覚で書いたものでした。
数字は3種類に分かれる
この件のあと、公開物に載せる数字を3つに分けるようにしました。
数えられる ── そのまま載せる。ただし出す直前に数え直す
数えたが古い ── 載せない。数え直してから載せる
根拠が出せない ── 載せない。検証できる別の数字に置き換えるか、数字を使わない書き方にする
3つ目が、いちばん処理を間違えやすいところでした。
「32本」を消すとき、私は最初、書き換えるのが惜しくて別の数字を探しました。でも探すほど話がおかしくなります。根拠のない数字の代わりに、別の根拠のない数字を置いても、何も直っていません。
結局、その行ごと、数えられる別のものに差し替えました。数字が下がって見えても、そちらのほうが安全です。
数え直す手順は、コピーできる形で残す
大事なのは、その場で数えたことより、次回も同じ数え方ができることです。
私は、数字の項目ごとに「これはこう数える」という一行を、数字のすぐ隣に残しています。ページには出しません。手元の作業メモに書いておきます。
・未完のタスク ── タスクの記録のうち、完了の印がついていない行を数える
・作業メモ ── メモ置き場の中の本数。索引ファイルは数に入れない
・自動処理 ── 有効になっているものだけ。止めているものは数えない
・配布物のページ数 ── ファイルそのものを開いて数える。原稿の見出し数から推定しない
4つ目は、一度失敗しました。原稿の分量から「だいたいこれくらいのページ数だろう」と当たりをつけて書いたら、実物と違いました。推定値を実測値のように書くと、あとから区別できません。
現在配布しているPDFも、更新のたびに実物を開いてページ数を確認しています。公開画面には合計値を載せず、配布物が変わるたびに数字を直す作業をなくしました。
出す直前にかける検査
いまは、公開する前に必ずこれをやります。
① 公開するファイルの中から、数字が入っている箇所を全部拾い出す
② 1つずつ、どう数えるかを思い出す
③ 実際に数え直す
④ ずれていたら直す。数えられなかったら、その行ごと書き直す
①を目で読んでやろうとすると、必ず取りこぼします。文章の中の数字は、読んでいると意味のほうに気を取られて、数字そのものが目に入りません。
なので、機械的に拾わせています。「件」「本」「作」「人」「%」の直前にある数を、まとめて抜き出す。それだけで一覧になります。あとは上から潰していきます。
拾い出す ── 目で読まずに、数字の形だけを機械に拾わせる
数え直す ── 1つずつ、実物を開いて数える
判断する ── ずれ/根拠なし/そのままOK の3つに仕分ける
この作業は、私の場合10分ほどです。10分で、日付つきの間違いを載せずに済みます。
AIに任せるときに、必ず足す一行
数字を含む文章をAIに書かせるとき、私は指示文にこの一行を入れています。
「数字は、渡した資料に書かれているものだけを使ってください。資料に無い数字は書かず、その部分は空欄にして、何を数えれば埋まるかを一行で書いてください。」
これを入れる前は、それらしい数字が自然に混ざってきていました。文章としてはよくできているので、読んでも気づきません。もっともらしい数字は、間違っていても引っかかりません。だから、入り口で止めるしかありませんでした。
空欄で返ってくるのは、一見すると手間が増えたように感じます。でも実際には、埋めるべき場所がはっきりするぶん速くなりました。何より、埋めた数字は全部、自分が数えたものになります。
数字を載せる理由を、もう一度考えた
この件のあと、そもそもなぜ数字を載せたかったのかを考え直しました。
正直に書くと、信じてもらいたかったからです。「たくさん書いています」より「206本書いています」のほうが、本当らしく聞こえます。
ここに落とし穴がありました。数字は、それ自体が根拠に見えます。読む側は、その数字がどう数えられたかを確かめられません。だから、書いた側が正確でいるしかない。確かめられないぶん、間違っていたときの損が大きくなります。
いまは、数字を載せる前にこう訊いています。
「この数字が無くても、この文は成り立つか」
成り立つなら、載せません。数を出さずに書けることのほうが、実際には多いです。
・数字が要る ── 分量や規模そのものが伝えたい情報のとき(配布物のページ数など)
・数字が要らない ── 「たくさんやっている」を言いたいだけのとき
2つ目のために出した数字が、いちばん古くなりやすいものでした。理由は簡単で、更新する動機がないからです。増え続けているものは、放っておけば必ずずれます。
増え続ける数字は、載せ方を変える
とはいえ、増えているものを載せたい場面はあります。そこで、書き方を変えました。
前の書き方 ── 「作業メモを206本書いています」
いまの書き方 ── 「作業メモを日々書きためています(2026年8月1日時点で211本)」
違いは、日付が数字にくっついているかです。
前の書き方だと、日付は別の場所にあります。ページの下や、更新日の欄にあります。読む側は結びつけません。「206本」だけが情報として残ります。
いまの書き方だと、その数字がいつのものかが、その場で分かります。古くなっても、古いと分かる形で古くなります。間違いではなく、時点の情報になります。
これは小さい違いに見えて、扱いがまったく変わりました。前の書き方は更新しないと嘘になります。いまの書き方は、更新しなくても嘘にはなりません。
もちろん、あまりに古いままにするのは不親切です。それでも、「更新を忘れたら嘘になる」構造を持たないほうが安全でした。忘れる前提で設計する。私は忘れます。
撮って開いていなければ、そのままだった
この件で私がいちばん引きずっているのは、間違いの中身ではありません。
公開したあとに、自分でそのページを開いていなければ、ずっとそのままだったということです。
作業した本人は、直したところしか見ません。直していないところは「前と同じはず」だと思って読み飛ばします。数字は、たいてい直していないところにあります。
だから、公開したら必ず開きます。直した箇所ではなく、上から全部読みます。他人が最初に見る順番で読むと、自分では気づかなかったものが目に入ります。
今日、ひとつだけやるなら
自分が外に出しているページを1つ開いて、そこに書いてある数字を1つだけ数え直してください。
どれか1つで構いません。私の場合、1つ目で違っていました。
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この記事を書いた人
AI秘書と仕事を運用しています。
AI秘書のアリアと、製造役のもう1台のAIに、仕事の大半を渡しています。
私がやるのは、最後に決めることと、外に出す言葉を選ぶことです。
目指しているのは、稼ぐことそのものより、日々の面倒な確認や手戻りを減らして、家族と過ごす時間や休む時間を増やすことです。