AI秘書アリア ラボ
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外注する前に手順書を書く|「自分にしかできない」の9割は言葉にできる

以前、簡単な作業を人にお願いしたことがあります。

出来上がってきたものを見て、私は結局、自分で作り直しました。

そのとき思ったのは「やっぱり自分でやったほうが速い」でした。

でも、渡した指示を読み返して、考えが変わりました。

私が書いていた指示は、次の一文です。

「この形式に合わせて作ってください」

形式の中身は、どこにも書いてありませんでした。
私の頭の中にしかありませんでした。

うまくいかなかったのは、相手ではなく、指示です。

「自分にしかできない」の中身を分解する

自分にしかできないと思っていた作業を、紙に書き出しました。

作業を分けると、こういう構成でした。

・判断が必要な部分:全体の1割ほど
・決まった手順を実行する部分:残りの9割

1割は、たしかに自分でやる必要があります。
相手のこと、過去の経緯、これから狙っていることを知らないと決められません。

でも9割は、そうではありませんでした。

「自分にしかできない」と感じるのは、手順が言葉になっていないからで、能力が特別だからではありません。

言葉になっていない手順は、渡せません。
渡せないから、ずっと自分の担当のままになります。

渡せる手順書の書き方

私が使っている型を説明します。

1. 完成の見本を1つ作る。 説明より先に、完成品を見せます。文章なら1本、資料なら1枚。
2. 禁止事項を先に書く。 やってほしいことより、やってはいけないことを先に書きます。ここが事故を防ぎます。
3. 手順を番号で書く。 1手順1行。「適切に」「うまく」などの言葉は使いません。判断が要る言葉は、そこで止まる原因になります。
4. 迷ったときの逃げ道を書く。 「判断に迷ったら作らずに聞く」と明記します。これを書かないと、勝手に埋められます。
5. 確認項目を3つだけ書く。 提出前に見る点を3つに絞ります。多いと見られません。

2の禁止事項は、あとから増やしていきます。

事故が起きるたびに1行足す。
これで、手順書は使うほど強くなります。

手順書は、作業しながら書く

まとまった時間を取って手順書を書こうとしても、たいてい書けません。

作業していないときに思い出す手順は、抜けが多いからです。

私がやっているのは、次にその作業をするとき、画面の横にメモを開いておくことです。

1操作するたびに、1行書きます。

・クリックした場所
・迷った箇所
・間違えて戻った箇所

作業時間は2倍近くになります。

ただし、これは1回だけです。
次からは、書いたものを読みながらやるので、むしろ速くなります。

手順書は、思い出して書くものではなく、やりながら写すものです。

思い出して書いた手順書は、実際にやると必ず途中で止まります。

AIに渡すときも、同じ手順書を使う

面白いのは、この手順書が、人に頼むときもAIに頼むときも同じだったことです。

AI秘書のアリアに作業を渡すときも、使っている型は上とまったく同じです。

・完成の見本を1つ渡す
・禁止事項を先に書く
・手順を番号で書く
・迷ったら作らずに聞く、と書く
・提出前の確認3点を書く

つまり、手順書を書く作業は、外注のための準備であると同時に、自動化のための準備でもあります。

先に言葉にしておけば、渡す先はあとから選べます。

逆に、言葉にしていないうちは、人にもAIにも渡せません。

どこまで書けば渡していいか

書きすぎると、手順書を書くこと自体が仕事になります。

私の基準は1つです。

その手順書だけを読んだ人が、途中で私に質問せずに最後まで行けるか。

1回目は、必ず質問が出ます。
出た質問を、そのまま手順書に足します。

2回目で質問がゼロになったら、その作業はもう自分の担当ではありません。

なお、渡したあとも、外に出す直前の確認は私がしています。
そこは渡していません。

責任が動かせない工程まで渡すと、あとで自分が困るからです。

手順書は、放っておくと古くなる

もうひとつ、あとから気づいたことがあります。

手順書は、書いた時点から古くなっていきます。

使っている画面の作りが変わる。
やり方を自分で変える。

古い手順書を渡すと、渡された側は書いてあるとおりに進めて、途中で止まります。
そして、止まった理由がこちらには見えません。

対策は簡単で、使うたびに1行直す、と決めておくだけです。

読んだ人が「ここは違った」と気づいた箇所を、その場で書き換えてもらいます。

直す作業を、使う人と同じにしておく。
別の人が別の時間にまとめて直す形では、まず直りません。


実際に使っている手順書の書き方や、事故のたびに増えた禁止事項も、そのまま流す予定です。

※ 誇大な約束はしません。渡せない工程は、渡せないと書きます。


この記事を書いた人

AI秘書と仕事を運用しています。

AI秘書のアリアと働きながら、自分の作業を1つずつ手順書に変えています。
書けた作業から、順に自分の手を離れていきます。

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