AI秘書アリア ラボ
AI秘書と動かす仕事の、実物の運用記録

出す前に検索する言葉のリスト|編集用のメモを公開してしまった話

公開しているページを、久しぶりに自分で開きました。

本文のいちばん上に、こう並んでいました。

価格。カテゴリ。そして、自分で入れた区切りの目印。

どれも、書いている最中に自分あてに置いたメモです。読む人に見せるものではありません。それが公開ページの先頭に、そのまま載っていたのです。

しかも1本だけではなく、同じ形のページが並び、その全部に同じメモが残っていました。

恥ずかしい話ですが、これは「気をつける」で防げる種類の失敗ではありませんでした。作業中の自分には、そのメモが見えていないからです。目印として置いたものは、置いた本人にとっては背景になります。

だから、目で見つけず、機械に探させることにしました。

その日に作った検索リストを、この記事にそのまま置きます。

見つかったのは、それだけではなかった

同じ日に、もう1つ出てきました。

ある記事の本文が、正しい長さの3倍ありました。

同じ文章が、3回続けて貼り付けられた状態で公開されていたのです。編集画面で貼り直したときに、置き換わらずに後ろへ足されています。それに気づかないまま保存して、公開まで通してしまいました。

私はそのとき「保存できた」で作業を終わりにしていました。保存ボタンが押せて、画面がエラーを出さなければ、正しく入ったと思い込んでいたわけです。

3倍の長さというのは、目で読めば分かります。でも、目で読み直していませんでした。

ここから学んだのは、こういうことです。

「保存した」は完了ではない。読み込み直したページの実物を数えて、はじめて完了。

長さを数える。同じ段落が2回出てこないか探す。表示されている値が、自分が入れたつもりの値と一致しているか見る。この3つは、機械にやらせられます。

資料に「(記載なし)」と印刷して出した

もっと痛かったのは、こちらです。

ある取引先に出す比較資料を、複数の原稿から自動で組み立てていました。原稿の中から決まった項目を取り出して、1枚の表の形に流し込む仕組みです。

出来上がった資料を見ると、いくつかの欄に「(記載なし)」と印刷されています。

元の原稿には、ちゃんと書いてありました。書いてあるのに、取り出せていなかった。

原因は、見出しの言い方の揺れでした。同じ意味の項目なのに、原稿ごとに書き方が少しずつ違っていたのです。ある原稿では「改訂版」、別の原稿では「修正版」、別の原稿では何もつけていない。取り出す側は1つの言い方しか知らなかったので、見つけられませんでした。

問題は、見つけられなかったこと自体ではありません。

見つけられなかったときに、黙って空っぽを返して、そのまま先へ進んだことです。

処理は一度も止まりませんでした。エラーも出ませんでした。何事もなかったように資料が出来上がって、そこに「(記載なし)」という文字だけが残りました。

直したのは、空を返させないこと

直し方は単純でした。

壊れた作り ── 見出しが見つからなければ、空の文字を返して次の処理へ進む
直した作り ── 候補の見出し名を全部渡し、1つも当たらなければ止めて、どの項目か知らせる

上が事故の形、下が今の形です。ちがいは「見つからなかった」を無視するか、事故として扱うかだけです。

AIに抽出をやらせるときも、指示文にこの一文を入れるようにしました。そのまま使える形で書いておきます。

「この項目を取り出すときは、候補になる見出しの言い方を全部照合してください。どれにも当たらなかったときは、空のまま先へ進めず、そこで止めて『どの原稿のどの項目が取れなかったか』を報告してください。」

これを入れる前と後で、はっきり変わりました。前は、静かに空欄が混ざった完成品が出てきました。後は、途中で止まって「この2件が取れません」と言ってきます。

途中で止まるほうが、面倒に見えます。実際は逆でした。止まってくれれば、その場で10秒で直せます。黙って通ると、印刷して封をして出したあとに分かります。

静かに失敗する仕組みを、いちばん先に潰す。これが私の中で最優先になりました。

数が変わった日に、全部を検索する

もう1つ、質のちがう事故がありました。

扱っている商品の本数が増えたあと、案内ページに「今出しているのは2本です」という古い一文が残っていました。「そのほかはまだ出していません」という続きまで、そのまま載っていました。

確認すると、もっと増えていました。つまり、案内ページが嘘をついている状態です。

誰も悪気なく作った文章です。書いた時点では正しかった。時間が経って、事実のほうが動いただけです。

古い記述は、間違いとして生まれません。正しかったものが、あとから間違いになります。

だから見直しのきっかけを、日付ではなく出来事に結びつけました。

・扱うものの数が変わった日
・値段を変えた日
・提供のしかた(納期・回数・範囲)を変えた日

この3つのどれかが起きたら、その日のうちに全部の文章を検索します。翌週にしません。翌週の自分は、この件を覚えていないからです。

検索するのは、記事だけではありません。案内ページ、登録後に自動で流れる文章、プロフィール、見積書のひな形。数字が書いてありそうな場所を、まとめて1回で当たります。

出す前に検索する言葉のリスト

今使っているリストです。3種類に分かれています。

出す前に検索する3種類
① 書きかけの印 ── (記載なし)/TODO/未記載/N/A
② 編集用の目印 ── 区切りマーカー/価格:/カテゴリ:
③ 古くなった数 ── の2本です/まだ出していません/順次公開

①は「まだ埋めていない」の跡、②は「自分あてのメモ」の跡、③は「昔は正しかった」の跡です。原因がちがうので、探すタイミングもちがいます。

①と②は、1つの成果物を出す直前に当てます。
③は、事実が動いた日に、全部の文章へ当てます。

区切りマーカーというのは、自分で決めた記号のことです。私の場合は、無料で読める範囲と、その先を分けるために記号を並べていました。読者に見せるつもりのない記号が、そのまま画面に出ていました。あなたの現場にも、たぶん似たものがあります。

リストは、自分の現場の言葉で増やす

このリストをそのまま写しても、半分しか効きません。残りの半分は、自分がやらかした言葉で埋める必要があります。

増やし方は決めてあります。

① 事故が起きたら、その成果物に残っていた「出すつもりのなかった文字列」をそのまま書き写す
② 検索リストの末尾に1行足す
③ 次から、出す前の検索に含める

大事なのは①です。要約しないで、画面に出ていた文字をそのまま写します。「編集用のメモ」と書いても検索できません。実際に出ていた文字だけが検索できます。

私はこのリストを、成果物の種類ごとに分けずに1つにまとめています。分けると、どれを使うか選ぶ作業が増えるからです。当たりすぎて空振りが出ても、空振りは0.5秒で消せます。

・迷ったら足す
・消すのは、3回続けて空振りしたときだけ
・リストは1つ。使い分けをしない

検索は機械に、判断だけ自分がする

ここは正直に書きます。検索そのものは自動でやらせています。当たった箇所をどう直すかは、今も私が見ています。

理由は、当たり方に嘘が混ざるからです。

たとえば「価格:」という語は、本当に消したい編集メモのこともあれば、読者向けに書いた正しい見出しのこともあります。「順次公開」も、事実として正しく使っている記事があります。機械は区別しません。

なので、運用はこうしています。

① AI側が全ファイルを検索して、当たった行を「ファイル名と行の中身」だけの一覧にして出す
② 私はその一覧を上から見て、消すか残すかを行単位で決める
③ 決めたぶんをAI側が直して、直したあとにもう一度同じ検索をかける
④ ②で残すと決めた行だけが残っていることを確認して、終わり

④を入れているのは、直した拍子に別の場所を壊すことが実際にあったからです。修正の直後には、同じ検査をもう一度かけます。1回目で見つかった件数と、2回目で見つかった件数が食い違わないところまで来て、はじめて終わりにします。

かかる時間は、私の場合で2〜3分です。事故が1件でも通ると、謝る時間と直す時間で1時間は消えるので、割に合っています。

完成物には、作業中の自分が写り込む

ここまで書いた3つの事故は、原因が全部同じでした。

作っているときの自分にとって都合のいいものが、そのまま外へ出た。

目印も、埋めていない欄も、その時点で正しかった数字も、作業中は必要なものです。必要だから置いてある。置いた本人には見えなくなる。

だから、見つける役を自分から外しました。目で探さず、言葉のリストに任せる。人間は、当たったものを見て決めます。

AIに渡せるのは検索です。判断は渡していません。ここを混ぜると、正しい「価格:」まで消えます。

リストは今も増えています。事故が1件起きるたびに1行増えて、次から同じ形では起きなくなる。それだけの、地味な仕組みです。

今日、ひとつだけやるなら

いま公開している自分のページを1枚だけ選んで、「TODO」「N/A」「未記載」の3語を検索してみてください。1枚だけで大丈夫です。当たったら、その文字列を検索リストの1行目にしてください。


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この記事を書いた人

AI秘書と仕事を運用しています。

AI秘書のアリアと、製造役のもう1台のAIに、仕事の大半を渡しています。
私がやるのは、最後に決めることと、外に出す言葉を選ぶことです。

目指しているのは、稼ぐことそのものより、日々の面倒な確認や手戻りを減らして、家族と過ごす時間や休む時間を増やすことです。

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